はじめに
「親が老人ホームに入居したけど、実家はいつか片付ければいいか」 「いずれ誰かが住むだろう」
そう思って、親の家を空き家にしたままにしていませんか?
しかし、その「後回し」が、将来、あなたを大きなトラブルに巻き込む可能性があります。空き家は放置すればするほど、劣化が進み、近隣とのトラブルや経済的な負担が増大するリスクをはらんでいるのです。
この記事では、空き家放置のリスクと、後悔しないための具体的な対策について解説します。
1. 親の家を「放置」する5つのリスク
空き家を放置することは、経済的、法的、そして近隣との関係において、さまざまな問題を引き起こします。一見すると何も起こっていないように見えても、内側では確実に劣化が進んでいます。
経済的負担
・資産価値の低下: 家は人が住まなくなると、急速に劣化が進みます。通風や換気がされず、湿気がこもり、カビや腐食が発生。雨漏りやシロアリ被害も放置されれば、修繕費用が膨大になり、最悪の場合、取り壊し費用の方が高くなることも。売却しようとした際には、資産価値が大幅に下がってしまいます。
・「特定空き家」による税金増: 後述の「特定空き家」に指定されると、これまで住宅用地に適用されていた固定資産税の軽減措置(最大1/6)が解除され、税額が大幅に増えます。年間数十万円の負担増となるケースも珍しくありません。
・高額な修繕費用: 家は生き物です。定期的な手入れやメンテナンスを怠れば、屋根や外壁、給排水管などが傷み、いざ住もうとしたり、売却しようとしたりする際に、高額な修繕費用が必要になります。
法的・近隣トラブル
・倒壊の危険: 台風や地震、老朽化で家が倒壊し、通行人や近隣住民に被害を与えた場合、所有者として損害賠償責任を問われる可能性があります。また、倒壊した建物の撤去費用も所有者負担となります。
・治安の悪化: 管理されていない空き家は、不法侵入や不法投棄の温床となり、犯罪の温床となる危険性が高まります。また、野良猫やネズミなどが住み着き、近隣住民とのトラブルに発展することも珍しくありません。
・景観の悪化と衛生問題: 雑草が伸び放題になったり、庭木が隣の敷地に越境したり、ゴミが不法投棄されたりすることで、地域の景観を損ね、深刻な衛生問題を引き起こします可能性があります。
2. 放置は危険!「特定空き家」に指定されるとどうなる?
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、**「特定空き家」という制度が設けられました。これは、市区町村が「放置することが不適切」**と判断した空き家を指します。
特定空き家に指定される基準
以下のいずれかに該当する場合、特定空き家に指定される可能性があります。
・倒壊の危険がある: 基礎や柱が腐食し、屋根が崩れかけているなど、建物の構造が著しく危険な状態。
・衛生上著しく有害となる恐れがある: ゴミが放置され、悪臭や害虫が発生している。
・景観を著しく損ねている: 屋根や外壁が剥がれ、窓ガラスが割れたままになっているなど。
・周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切であると認められる状態: 雑草が繁茂し、隣家に越境している、不法投棄がされているなど。
指定されるとどうなる?
・助言・指導・勧告: まずは行政から助言や指導が入ります。それでも改善されない場合は「勧告」が出されます。
・固定資産税の軽減措置解除: 勧告が出されると、これまで適用されていた固定資産税の軽減措置が解除され、固定資産税が大幅に増えます。これは所有者にとって大きな経済的負担となります。
・命令: 勧告後も改善が見られない場合、行政から「命令」が出されます。これに従わなければ、50万円以下の過料が科せられる可能性があります。
・強制執行(行政代執行): 命令に従わない場合、最終手段として、行政が強制的に解体・撤去を行い、その費用を所有者に請求します。
3. 後悔しないための空き家対策3選
空き家を放置せず、賢く管理するための3つの選択肢を解説します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合った対策を選びましょう。
・「売却」という選択
・経済的負担からの解放: 固定資産税や都市計画税、管理費用といった経済的負担から解放されます。
・現金化: 売却で得た現金は、親の施設費用や自身の老後資金、相続税の支払いに充てることができます。
・手間の削減: 売却してしまえば、管理の手間は一切なくなります。
・思い出の家を手放す: 大切な思い出が詰まった家を手放すことになります。
査定: 複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な売却価格を見極めます。
媒介契約: 信頼できる不動産会社と媒介契約を結びます。
売却活動: 不動産会社が買主を探し、内覧に対応します。
売買契約: 買主が見つかったら、売買契約を締結します。
引き渡し: 買主から代金を受け取り、家を引き渡します。
・「賃貸」という選択
家賃収入: 安定した家賃収入を得ることができ、家計を助ける収入源となります。
資産の有効活用: 家という資産を有効活用し、利益を生み出せます。
管理の手間: 賃借人の募集、契約手続き、家賃の回収、設備の修繕、入居者とのトラブル対応など、管理の手間が発生します。
賃貸経営リスク: 空室リスクや家賃滞納のリスクがあります。
賢く賃貸するコツ:
賃貸管理会社に依頼: 管理業務を専門の会社に依頼すれば、管理の手間を大幅に減らすことができます。
リフォーム: 賃貸に出す前に、水回りや内装をリフォームすることで、入居者が見つかりやすくなり、より高い家賃を設定できる場合があります。¥
3. 「管理」という選択
いつでも戻れる安心感: 売却や賃貸に抵抗がある場合、いつでも再利用できる安心感があります。
経済的時間的負担: 固定資産税や管理費用がかかり、定期的な見回りや掃除などの手間も発生します。
具体的な管理方法:自分で管理:
月に1回程度、現地に足を運び、通風や換気、水回りの通水、郵便物の整理、庭の手入れなどを行います。
専門の空き家管理サービスに依頼: 費用はかかりますが、プロに任せることで、見回りや清掃、近隣トラブルの報告などを定期的に行ってもらえ、安心です。
公式LINEでの無料相談サービスの案内
ハートでは老人ホーム紹介会社として高齢者住まいアドバイザー、ファイナンシャルプランナー、不動産終活士が在籍しており完全無料で適切な介護施設をお探ししご提案しております。詳しく知りたい方、どの施設が最適かわからない方、自分に合ったサービスを探している方は、ハートの公式LINEからご相談ください。資格を持つ専門のスタッフが、あなたのニーズに合った情報を提供します。
4. まとめ:不動産の専門家に相談し、早期の対策を
空き家は放置すればするほど、大きなリスクとなります。まずは現状を把握し、早めの対策を講じることが重要です。
親の家をどうするかは、ご家族の思いや、家の状態、そして経済的な状況によって最適な選択肢が異なります。一人で悩まずに、専門家に相談することで、多角的な視点から最善の解決策を見つけることができます。
当サイトでは、空き家の売却、賃貸、管理など、お客様のご希望に合わせたご提案を、不動産の専門家が無料でサポートします。まずはお気軽にご相談ください
コメント